月曜日, 10月 23, 2006

日刊スポーツ 2006.10.23

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竹内結子が愛人役でイメチェン

 女優竹内結子(26)主演の映画「サイドカーに犬」(根岸吉太郎監督、来年秋公開)がこのほどクランクアップした。昨年6月に歌舞伎俳優中村獅童 (34)と結婚、同年11月に長男を出産した。女優業再開の作品で、自由奔放な愛人を演じ終えた。「新しいものがやりたかった。幅が広がった」と、手応え を語った。

 ウエーブをかけたロングヘアの竹内が、多摩川河川敷をドロップハンドルの自転車に乗っていく。前傾姿勢がきつく、運転に慣れるまで恐怖心を抱くタイプだが、子役の松本花奈と抜きつ抜かれつを繰り返した。撮影前から、駒沢公園などで週1回のペースで練習してきた。

 長嶋有氏の芥川賞受賞作「猛スピードで母は」に収録されている短編が原作。80年代を舞台に、母親が出ていった家庭に、悪びれることなく入り込む 父親の愛人ヨーコを演じる。たばこを吸い、大口開けて笑い、本妻に頭突きしたり、ゲップもする。それでいて、10歳の少女の心をとらえてしまう魅力があ る。

 竹内は「つかみどころのない役」と説明した。「これまでは誰かを追い掛けたり、寄り添うことで存在していた役をやってきましたが、ヨーコは1人で いても成立する。幅が広がった」と続けた。せいそで、けなげで、はかない…出演したヒット作で演じてきた女性とは違う役柄を求めていた。「環境ではなく、 自分が変わりたいと結婚前から思っていました。新しいものをやりたい、と」。結婚と出産が女優としての転機にもなった。

 本妻に頭突きする場面について、「想像していたよりかっこよくなくて、想像していたより泣きそうになりました。スパッと決めて倒すイメージがあっ たんですが、感情が入ると『わー、どろどろしてる、女の人って怖いな、本妻と愛人、怖いなあ』って思いました」と、初体験を振り返った。

 根岸監督の穏やかな雰囲気や進行、メークやヘアの準備に助けられた。「復帰だって考えると、力んでしまうと思っていた。どういうふうに入っていこ うかと。でも吹っ切れました。髪を巻いてる間にテンション上がっていくんです」と、女優モードに入っていく過程を打ち明けた。仕事現場では仕事に集中した いと、取材側には夫獅童と愛息について答えられないことを、間接的に伝えた。だからこそ、「女優業」については、笑みをたたえしっかり語った。

[2006年10月23日7時26分 紙面から]

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